nanadecor奥出雲コットンプロジェクト|国産コットンを種から育てる 〜種から服ができるまで〜
MADE IN IZUMO
種から育てた奥出雲コットンインナー
nanadecorでは出雲にご縁を頂き、コットンを種から育てる手伝いをし、収穫した綿花を糸へ、そして製品へとつなげる活動をしています。国内にはない綿農家。日本で綿花を栽培し、製品にしてパーフェクトジャパンメイドのアイテム作りに挑戦しています。
プロジェクトが始まったのは2022年、主宰する学びの場My organic laboのメンバーと出雲に出かけ、種まきと収穫に参加してきました。初めて自分たちの手で作ったコットン。試行錯誤を繰り返し、長い道のりを経て、このたび初めて製品として発売することができました!
毎日着る服、身近にあるコットン製品はどんな原料からできていて、誰の手によって、どのくらいの時間と手間をかけ、どういった過程で手元に届くのか、知っていますか?
私たちはその過程を自分たちで体感するべく種から育てるお手伝いをし、それがどんなに手間暇かかるものなのかを実感しています。
種をまき、収穫をする。そして綿花に絡んだ種やゴミを取り除き、洗って紡いで糸にして生地に織り、縫製をして製品が完成します。
モノにあふれる今の時代、わたしたちは何を選ぶのか?
あらためて目を向けてみるきっかけとして
日本国内での綿栽培を応援する気持ちとして
この奥出雲コットンのプロジェクトに参加して頂けると嬉しいです。
初めての製品化は
肌に1番近いインナーウェアを
リブ編みレース付きタンクトップ
タンクトップは女性らしいシルエットになるよう、ネックラインを美しいカッティングに、そしてオーガニックコットンのレースをあしらいました
リブ編みショーツ
ショーツは履き口をメロウ仕上げにし、足の付け根の締め付けない仕様に。
肌あたりのストレスを軽減できるようタグは外側に付けています。
タンクトップ&ショーツのセット
よりなめらかな肌触りを全身で実感できるように、上下セットは特別なセット価格でお届けします。
2022年に子供たちと種まきをし、収穫した綿花から糸を作り編み上げました。
1粒の種から糸となり、生地となる
繊維が長く、最高級な品質を誇る
究極の奥出雲コットンリブ
>奥出雲コットンの特徴
超長綿と呼ばれる繊維長が35mm以上のコットンの品種です。
世界の綿生産量の5%ほどしかない希少なコットンで、繊維長が長いため細い糸をつくることができます。
奥出雲の昼と夜の寒暖差のある中山間地で栽培を行っているため、細いながらも強度のある理想的な繊維になりました。
>糸の番手や風合いのこだわり
超長綿ならではの繊維長を活かし、細い番手の糸を紡ぎました。
細い糸がならではの光沢ときめ細やかな肌触りを感じることができます。
>リブ編みにするメリット
リブニットにすることで適度な伸縮性が得られ、絶妙なバランスで体にフィット
プレーンな編み地とは異なり立体感が出ると同時に超長綿の滑らかさもある独特の生地になりました。
同じ糸で編み方を変えて、何パターンを試作を繰り返し生まれた絶妙なフィット感。素材の良さを引き出し、なめらかな風合いの生地に仕上がりました。
アンダーウェアとして使いやすい身幅にこだわり編み上げました。
編み機の針数を調整した絶妙なサイズ。
脇に縫製がない筒型の編み機で織った着心地の良さも特徴です。
今回製品化を実現してくださったのは
奥出雲、山王寺の棚田を守る藤原潤さん
毎年種蒔きと収穫を手伝いをさせていただいている藤原さん。日本には綿花を育てる農家さんがいなくなってしまった今。貴重な存在です。島根県、山王寺の美しい棚田で綿花の栽培をされています。
日本で綿花を栽培する苦労とは?
栽培期間中農薬不使用でコットンを育てているため、虫や雑草の影響を受けやすく
とくに超長綿は通常の綿に比べるとデリケートなので、一株から取れるコットンの量が少ないんです。そのため収量を確保するための管理が難しいです。
また山王寺という中山間地の棚田の、休耕地を活用しているため、ひとつの畑の面積が小さく効率的に機械で作業をすることができません。自ずと手作業が多く、特にコットンボールの収穫はひとつひとつ手で行なっています。
綿製品のメイドインジャパンを作りたいという思い
コットンの収穫量がそれほど多くないため、どうしても小ロットの生産になってしまいます。
「地元でパーフェクトメイドインジャパンをつくってみたい」
という思いを工場と共有しており、小ロットでも非常に協力的に生産をして頂いています
どうやったら良い製品ができるか、何をしたらおもしろいか、一緒に考えながら進めています。
日本の綿産業とその現実
農林水産省のデータでは日本における綿の自給率はほぼ0%です。
国内では数件の事業者が商業用に綿の栽培を行なっていますが、自給率1%に達していません。
そのため綿製品の原料は輸入に頼っています。
また綿の紡績工場、綿織物の機屋など木綿に関わる工場は年々少なくなってきています。
私は日本の農業の方法で品質の良いコットンを育て、
独自の技術をもった国内の工場で生産を行うことで
新たな商品を生み出していきたいと考えています。
これから藤原さんの目指すところとは?
私が栽培を行っている島根県は、
江戸時代まで綿栽培が盛んな地域で、
松江藩が管理をして大阪や江戸へ木綿が販売されていました。
しかし安価な輸入綿の普及から、
昭和の初期に国内での木綿栽培はなくなってしまっています。
私は2019年から洋綿を栽培し、
少しずつですが栽培面積を広げ綿の栽培を復活させています。
協力農家さんも増えており、
特にIターンで県外から移住した若者が頑張ってくれています。
栽培面積を増やし、木綿栽培に関わる人が増え
「超長綿の産地といえば出雲」と言われるような地にしていければと考えています。
奥出雲コットンプロジェクト × nanadecor の関わり
私たちのような地方で活動をしている事業者を見つけ
興味を持っていただいたことに感謝しています。
島根県でのコットン栽培にご協力いただいており
毎年種まきの5月と11月の収穫時期に島根へ来ていただき
実際に畑で作業を手伝っていただいています。
コットン栽培に関することはもちろん、
地域の活動や課題についても視察していただいています。
それは自然農を行う農家さんの活動、
中山間地域での休耕地増加の問題、地域と観光であったり、さまざまです。
コットンをきっかけとして出雲と東京を結び
良いより地域づくりを考えていただいています。
私は地方には地方の役割があり、
東京などの中央には中央の役割があると感じています。
地方と中央、それぞれが得意な分野で協力することで
新たな価値を生み出していくことができると考えていますが
それはなかなか難しいことで、それぞれの事情があったり、そもそも地方と中央では繋がりがなかったりします。
nanadecor さんと島根の関わりは
そういった現実がある中でとても理想的な形であると思っています。
地方で原材料をつくり製品の生産を行い、東京で商品を企画、デザインする。
それぞれがそれぞれの能力を活かしながら新しいものをつくっています。
このような理想の環境ができあがっているのは、
何とか商品をつくって島根の綿を届けたいという
nanadecorの皆さんの情熱のお陰だと思っています。
原料から加工まですべて日本国内で行なっているため、生産量だったり、コストだったり、納期だったり、
服作りには沢山の課題がありますがみんなで知恵を絞ってかたちにされています。
その思いが生産者に伝わり、こちらも情熱を持って仕事をします。
お互いの思いが重なって理想の形ができあがっています。
今回は皆の思いが商品になったことがとても嬉しいです。
自分たちで種からコットンを日本で育てることの難しさ、さらに製品化するという貴重な機会を藤原さんのご協力のもと実現しています。
人へも環境へもやさしい奥出雲コットンの活動をより多くのみなさんにも知っていただきたいと同時に、種まき、収穫に参加していただく、nanadecorがお分けしている種で綿花を育ててみる、出来上がった商品を購入して着る、プロジェクトの応援の仕方は様々です。
nanadecorから皆様へバトンを手渡しながら
私たちにできることを様々な入り口から一緒に活動していきたいと思います。
次回の収穫は11月、種まきは来年の5月です。(学びの場My organic laboにて募集します)
年始には種を配り始めますので、来年はぜひプランターで育ててみてください。